その「オートマタ」を21世紀の日本に持ち込んだのが、山口県在住のアーチスト原田和明さん。原田さんの作品には、最先端技術は用いられていませんが、独自のセンスとユーモアが盛り込まれています。
ここでは、原田さん製作の「オートマタ」作品をいくつか紹介しましょう。
■へそで茶を沸かす
ほんの少し前まで、ひとは「ちゃんちゃら可笑しいぜ」と感じた時、へそで茶を沸かしていたものでした。その頃の様子を「オートマタ」で再現した作品が「へそで茶を沸かす」です。
この作品では、ハンドルを回すだけで、人形が大爆笑。へその上に設置されたやかんのフタも、ちんちんとお湯が沸騰寸前の様子を表現します。
近頃、忙しくてへそで茶を沸かす時間も余裕もないな…。そんな風にお嘆きのあなたにおススメの「オートマタ」です。
あなたのかわりに、茶を沸かしてくれます
■箸が転んでも可笑しい
女性は思春期になると、急に泣き出したり、笑い出したりしてしまいがち。そんな思春期の女性の前で、箸をころころと転がしてあげれば、愉快に大笑いしてくれる…はずです。
とはいうものの、口に入れるお箸を転がすのは抵抗がありますよね。なんとなく、バチがあたりそうです。
そんなバチあたりを恐れるあなたにぴったりなのが、「箸が転んでも可笑しい」。転がされるためだけに生まれてきた箸を、思い切りくるくるさせられます。
ハンドルを回し続ける限り、箸も転がり続けるので、女性も笑い続けてくれるはずですよ。
原田さんは「箸が転んでも可笑しい」について、
「この作品に笑えたあなたは乙女心の持ち主です。」
と語っています。
あなたは、乙女でしたか?
■シャワー
筆者が個人的に一番気に入っているのがこの「シャワー」。ネコが植木にあげた水を、モグラが地面の下でシャワーとして使っているというものです。
モグラはこのシャワーを自作したのでしょうか?ネコは自分の撒く水がシャワーに使われることを了承しているのでしょうか?そもそも、モグラはなぜ地面の下でシャワーを浴びているのでしょう?洗っても、すぐに汚れてしまうのでは?
「シャワー」は、そんな風に、見れば見るほど妄想の膨らむ作品です。
モグラは、気持ち良さそうです
■テディベア
ハンドルを回すと、テディベアが自分の頭を持ち上げるという作品です。このテディベアは、「自分、しょせん、ぬいぐるみですから」と、自虐ネタとして頭を外している…ようにも見えます。
原田さんはこのテディベアを「お茶目」だと表現されています。でもよーく考えると、かなり怖い作品ですよね。ベアさん、本当は頭を外したくないのでは?
「まわさないでって言ってるのに!!」
■ネコパンチ
ハンドルを回すと、左手がジャブをくりだし、右手がストレートパンチを打ち込むという作品。右のストレートがいつ出るのか、予測が付きにくいという面白さがあります。
この作品については、是非動画を見てください。ネコパンチと、本物のネコさんの熱いじゃれあい&戦いが楽しめます。
ネコ、おそるおそる…
■パンドラの匣
最後は開けてはいけないと言われる「パンドラの匣」。開けるなと言われると、ついつい開けてみたくなるものですよね。でも、うっかり開けると、大変なことになってしまうのが、この箱の怖いところです。
ちなみに、「希望」は入っていません。もっと、びっくりするものが入っています。
まわすと、びっくりしますよ!
作品の一部は、原田さんの Web サイト内の「オンラインショップ」で販売されています。残念ながら、オートマタは現時点ではすべて「Sold Out」。でも例えば、「TEDDY BEAR」や「SHOWER」のポストカードであれば購入可能なので、チェックしてみてください。
(画像はすべて、作者である原田和明さんの承諾を得て、同氏 Web サイトから転載させていただきました。)