米国Amazon.comが昨年3月31日に発表した「Amazon Dash Button(アマゾンダッシュボタン)」。これは、小さなプラスチック製のボタンで、押せばすぐに製品が玄関先に届けられる仕組みになっている。

これが「Amazon Dash Button」(洗濯用洗剤「Tide」バージョン)  ボタンをプッシュすれば
これが「Amazon Dash Button」(洗濯用洗剤「Tide」バージョン)
ボタンをプッシュすれば

Amazonが「Tide」を“ダッシュ”でお届け
Amazonが「Tide」を“ダッシュ”でお届け

ストックを切らさずに済む
ストックを切らさずに済む

届けられる製品は洗濯用洗剤の「Tide」やカミソリの「Gillette」、それにトイレットペーパーの「Cottonelle」など、定期的に補充が必要な“消耗品”ばかり。これらの消耗品がストックされている場所に「Amazon Dash Button」を取り付けておき、ストックがあと数個になったときにボタンを押せば、それらを切らせることなく生活できるという仕組みだ。

トイレットペーパーホルダーの隣には、  「Cottonelle」のボタンを
トイレットペーパーホルダーの隣には、
「Cottonelle」のボタンを

例えば洗濯用洗剤の「Tide」ボタンは洗濯機に、カミソリの「Gillette」ボタンは洗面台に貼付することが想定されている。

洗面台には、女性用カミソリ「シックハイドロシルク」のボタンを
洗面台には、女性用カミソリ「シックハイドロシルク」のボタンを

このダッシュボタンのラインナップに比較的最近追加され、No.1 ヒットを記録しているものがある。それが「Trojan」ダッシュボタン。押すだけでコンドームを“ダッシュ”で届けてくれるボタンだ。コンドーム切れの悪夢から、利用者を解放してくれる。

Amazonホットニューリリースの売上No.1  「Trojan」ダッシュボタン
Amazonホットニューリリースの売上No.1
「Trojan」ダッシュボタン

さて、このボタンについて気になることがある。それは、「米国の人はこのボタンをどこに取り付けるのか?」と、「Amazonで定期購入するほど、消耗が早いのか?」の2点だ。前者については、例えば「BRITA」のフィルターであれば冷蔵庫だろうし、「ZIPLOC」であればキッチンの収納だろう。だがコンドームはどこに保管されているのだろう?そして1箱に12枚入っている「Trojan」を、それほど早く消耗してしまうものなのだろうか?

筆者はこれらの疑問点について、米国の知りあい数人に問い合わせてみた。その結果、保存場所についてはベッドルームが多い一方、「クルマのダッシュボード」も多いという意外な事実を知った。

今回問い合わせした米国人の1人によれば、彼の初体験は17歳のときで、場所はクルマの中だったそうだ。日本のようにラブホテルがあるわけではなく、かといって部屋でとなると親の目(と耳)が気になってしまう。このため、土曜日の晩に彼女を連れて映画に出かけ、その帰りにクルマの中で初体験を済ますというケースが、米国では多いそうだ。初体験後もクルマを利用し続ける人は多いという。このため、クルマのダッシュボードに保管するという人は、米国人には珍しくはないそうだ。

Durex社による調査「2005 Global Sex Survey Result」を見ても、「車内での性交渉を好む」と回答した米国人は調査対象者の70%にも及んでいる。日本人の24%と比較すれば、米国人がクルマの中が好きということがよくわかる調査結果となっている。

米国人の7割は、「クルマ」の中が好き  「トイレ」が好きな人も7割!  (出展:Durex社「2005 Global Sex Survey Result」)
米国人の7割は、「クルマ」の中が好き
「トイレ」が好きな人も7割!
(出展:Durex社「2005 Global Sex Survey Result」)

「2005 Global Sex Survey Result」を見ると、「Trojan」の消費スピードについても納得がいく。この資料によれば、米国人の平均的な性行為の回数は年間113回。これは平均45回の日本人の約2.5倍にあたる数値だ。おそらく、コンドームの消費量も日本の2.5倍になるのだろう。コンドームをダッシュで届ける「Amazon Dash Button」は、いずれ米国の家庭の必需品になる可能性がある。

米国人の性行為回数は年間113回  これに対して日本人は45回  (出展:Durex社「2005 Global Sex Survey Result」)
米国人の性行為回数は年間113回
これに対して日本人は45回
(出展:Durex社「2005 Global Sex Survey Result」)

そして中には、クルマに取り付ける人がでてくるかもしれない。その一方、日本ではコンドーム用のダッシュボタンは需要がなく、Amazonが日本市場に投入することもないだろう。