森永健一さんの写真集「あきらめニャければうまくいく」

森永健一さんの写真集「あきらめニャければうまくいく」が7月23日に販売開始される。“猫の島”と呼ばれる相島のネコたちを思う存分楽しめる一冊。

森永健一さんは、フィルムカメラ時代から20年以上に渡って世界中のネコを撮り続けている“旅するネコ写真家”。ヨーロッパ、東南アジア、中近東やオセアニアなど、世界各地の風景と、そこで生きるネコたちの姿を撮影してきた。


森永健一さんの作品例
森永健一さんの作品のひとつ「ひな壇ネコ」さん

森永さんのネコ写真の特徴は、「旅の匂い」がすること。写真の中にはネコだけでなく島や街の景色が映されており、その地域で生きるネコたち(と人たち)の生活を想像できるヒントが散りばめられている。

たとえば、森永さんがWebサイトで公開されているフォトギャラリーの「2015年1月~」に掲載されたアジの干物とネコの写真を見て頂きたい。アジは上下をネットで覆われているので、ネコたちは直接手をだすことはできないが、アジを守る警備員のように、そこに座っている。

森永健一さんによる福岡のネコ
「おいしそうだニャ…」

この光景を目にした森永さんは、ネコたちは当初は干物を奪おうとしたものの、それはあきらめて漁師さんたちに警備員として働いていることをアピールし、おこぼれをもらう作戦に切り替えたのでは?と想像されたそうだ。

ネコたちがいなければ、“おいしそうな干物!”で終わってしまいそうな一枚。だがネコがいることで、そこに暮らす人たちの生活ぶりをリアルに感じたり、様々な想像を巡らせたりできる。これが、森永さんの写真の楽しさと言えるだろう。

写真集「あきらめニャければうまくいく」作品例
抜き足、差し足…

森永さんのネコ写真例
お魚くわえたドラ猫♪ 追っかけて♪♪

今回発売される写真集「あきらめニャければうまくいく」は、そんな森永さんが、“猫の島”と呼ばれる相島のネコたちを撮影したもの。50枚近い写真の約9割が相島のネコたちだ。以下では、写真集に収録された作品から何枚かを紹介する。

最初に紹介したいのは、側溝で遊ぶ子ネコたち。この子たちは外敵から身を守るため、側溝の中に隠れているのだが、同時にこの側溝は遊び場にもなっている。その遊びのひとつが“もぐら叩き”。写真では側溝のフタの間から顔をだした子ネコを、別の子ネコが見つけて「おでこにタッチ」している。後ろに座って様子を眺めている子ネコもかわいい。

森永健一さんの写真集「あきらめニャければうまくいく」収録写真例
「にょし」

猫写真家森永さん作品例
「あっちにいるよ!」
(この写真は、写真集未収録作品です)

2枚目は2匹のネコが、まるで高速道路の上り線下り線のように上下に分かれて反対側に歩いているもの。「ここを歩くときには、ネコなりのルールがあるのだろうか?」「この2匹は、仲が悪いのだろうか?」など、様々な想像が広がる一枚だ。

森永健一さんの写真集「あきらめニャければうまくいく」 高速道路ネコ
「サービスエリアはまだかニャ」

ネコが集まるのは、冬なら日当たりがよくて暖かい場所で、夏なら風通しがよく涼しい場所…なのは当然として、景色が良い場所だったりもするそう。上記の“ネコの高速道路(?)”は夕日が美しい場所で、夕方になると訪れては海を眺めるネコもいるそうだ。

写真集「あきらめにゃければうまくいく」作品例
ネコは、島で一番の場所を知っている?

島ネコ以外のネコの写真も数枚だが収録されている。そのひとつが桜の木の下に座る夜桜ネコ。福岡市内で撮影されたというこの写真は、ネコもカワイイが、桜も美しい。

森永健一さんの写真集「あきらめニャければうまくいく」 夜桜ネコ
「桜はいいニャ」

さてこんな風に旅気分を味わえる写真集「あきらめニャければうまくいく」の表紙を飾ったのは、佐賀県 高島の「野崎酒店」の看板ネコ「福ちゃん」。福ちゃんをなでたり、福ちゃんにお祈りしてもらったりすると宝くじが当たると言われており、実際、過去には高額賞金を獲得した人もいるのだとか。

そんな幸運の招きネコ福ちゃんは、表紙では得意のお祈りポーズをとっている。この写真集を身近に置けば宝くじがあたる…なんてことはないだろが、良いことが起きそうな気はしないでもない。

そんな縁起の良い(?)、プレゼントにもぴったりの写真集「あきらめニャければうまくいく」はA5変形判、96頁オールカラーで、価格は1,080円(消費税込み)。全国の書店やオンライン書店で購入できる。

「あきらめニャければうまくいく」、表紙
良いことがあると、いいニャ!