
置時計や壁掛け時計はかつて、“人々に時刻を伝える”という重要な役割を担っていました。でも、テレビやスマートフォンなど、時刻を教えてくれるデバイスが部屋の中に溢れてしまった今、時を伝える道具としての置時計・壁掛け時計の役割は変化しています。
では、現在における置時計・壁掛け時計の役割とはなんでしょうか?イタリアの時計メーカーMB&Fは、それは“インテリア”であるべきと考え、クモ型をした時計「Arachnophobia(アラクノフォビア:クモ恐怖症)」を製作しました。スイスのハイエンド時計ブランド L Epee 1839とのコラボレーションによる作品です。

「アラクノフォビア」は、米国の彫刻家ルイーズ・ブルジョワ氏による作品「Maman」にインスパイヤされたもの。この巨大なクモのオブジェは、ニューヨークのグッゲンハイム美術館やオタワのカナダ国立美術館をはじめ、世界各国の美術館に展示されており、日本では六本木ヒルズの「66プラザ」に設置されています。

六本木ヒルズにもありますね
「アラクノフォビア」は、その足によって自立が可能。テーブルなどに設置して置時計として利用できます。また、壁に取り付けて壁掛け時計としても利用可能。この場合は本物のクモのように、様々な角度で取り付けることができます。

置時計として利用できます

専用の金具を利用して壁に固定します
サイズは高さ40.5x幅40.5x高さ20.3センチで、重さは0.98キロ(ゴールドバージョンは1.96キロ)とかなり大型。ブラックバージョンとゴールドバージョンがあり、製造元によればブラックバージョンはよりリアルで、ゴールドバージョンはよりゴージャスなのだそうです。

ブラックバージョンはたしかにリアル。夜中に寝ぼけ眼でブラックバージョンを見てしまったら、本物と間違ってパニックになるかもしれません。とはいえクモは、疫病を媒介する蚊などを食べる、大切にすべき節足動物です。「アラクノフォビア」も大切にすれば、家と家族を災厄から守ってくれるかもしれません。