「MOON」は、月の表面を3Dで再現した月球儀。月周回衛星「ルナー・リコネサンス・オービター」の取得した月面地形データをもとに制作されている。

表面を3Dで再現した月球儀「MOON」
表面を3Dで再現した月球儀「MOON」

コンセプトは「デザインとテクノジーとサイエンスとアートの出会い」。従来の“球体に写真やイラストを貼っただけ”の月球儀とは異なり、月の表面のでこぼこまでが2,000万分の1で立体的に再現されている。これにより、例えば、「ティコ」「クラヴィウス」、そして「コペルニクス」といった有名なクレーターの高さや深さも、感覚的に理解可能だ。


表面の凸凹までリアルに再現
表面の凸凹までリアルに再現

「コペルニクス」クレーターも
「コペルニクス」クレーターも

特徴は、“太陽”の役割を果たすリング型LEDライトが付属している点。このLEDライトが月球儀の周囲を回転しながら表面を照らし、“月の満ち欠け”を表現する。

“太陽”の役割を果たすリング型LEDライトが付属
“太陽”の役割を果たすリング型LEDライトが付属

“月の満ち欠け”を表現する
“月の満ち欠け”を表現する

LEDライトの光があたることで、月表面のクレーターや海はよりリアルに見えるようになる。光が当たる角度によって、クレーターから伸びる影の長さも変化するため、撮影方法によっては本物の月と見まがうような写真も撮れるそうだ。

“本物”に見える写真も撮れる?
“本物”に見える写真も撮れる?

LEDライトには、任意の場所を照らす「マニュアル」、30秒で一回転する「デモ」、そして現在の月の形を表現する「ライブ」の3モードが用意されている。

「マニュアル」「デモ」「ライブ」の3モードを用意
「マニュアル」「デモ」「ライブ」の3モードを用意

注目すべきは「ライブ」モード。このモードを選択することで、月の形をリアルタイムで知ることが可能だ。実際の月が新月、三日月、半月、満月と移行してやがて新月に戻るように、「ライブ」モードも29日12時間44分2.80秒周期で満ち欠けを繰り返す。

「ライブ」では、月の形をリアルタイムで表現
「ライブ」では、月の形をリアルタイムで表現

サイズは370 X 330 X180ミリで、重さは1.8キロ。LEDライトが回転するために、550 X 550ミリのエリアが必要となる。100-240V 50/60 Hzに対応する5Vアダプター付き。

意外と場所を取るツールだ…
意外と場所を取るツールだ…

制作したのは、英国ロンドン在住のOscar Lhermitteさん、Alex Du Preezさん、そしてPeter Krigeさんによるチーム。彼らは現在、「MOON」の市販化に向けてクラウドファンディングサイトkickstarterで出資者募集のキャンペーンを実施中。本稿執筆時点では、500英ポンド(約7万8,000円)の出資で「MOON」を1台入手可能だ。キャンペーン終了後の市販価格は700英ポンド(約10万9,000円)となる。出荷は2016年の12月に予定されている。