「ピリカ」のもやしラーメン
亀有に行ってきました

週刊少年ジャンプで40年もの間連載された「こちら葛飾区亀有公園前派出所(以下、こち亀)」。先日、突然の連載終了が発表され、日本中のマンガ好きを動揺させた。

筆者とこち亀の出会いは、子どもの頃家族でよく行っていた中華屋で「このマンガ面白いから読め」と父から渡されたジャンプ。その後自分でジャンプを買っていた時期や、どこかで手に取った時などは必ず目を通していた。


連載終了の発表後、Twitterなどではこのようにこち亀との出会いを振り返る人が続出している。その中でも多く挙げられているのが、やはり“ラーメン屋で読んだ”というエピソードだ。

確かに「ゴルゴ13」や「美味しんぼ」と並んでラーメン屋に置いてあるマンガというイメージは強い。だが昨今は回転率を上げるためかマンガを置いているラーメン屋自体が激減しており、まさに思い出となりつつある…。

それならば、と筆者が向かった先は

JR亀有駅北口の雑踏

亀有!!

そう、こち亀の舞台である亀有のラーメン屋ならば、どこもこち亀を置いているに違いないと考えたのだ。しかも亀有はラーメン激戦区で、店舗が多い。

こち亀キャラクターの看板
街全体でこち亀を盛り上げている

とはいえ一軒一軒入って確認するわけにもいかず、外からのぞいて回るが、やはりマンガすら置いていないところばかり。

ふと交番前に立っていたおまわりさんと目があったので尋ねてみると、そんなこと初めて聞かれたという困惑の表情を浮かべつつ「どこかにあった気もするけど…あのもんじゃ焼き屋には確かあったかも」ととても丁寧に対応してくれた(その店は生憎開店前だった)。面倒見の良いおまわりさん、何だか両さんみたいだ。

諦めムード漂う中、せっかく来たので亀有公園などのこち亀スポットを回る。

こち亀 両津勘吉の銅像
亀有には10体以上の両さん像がある

こち亀 両津勘吉の銅像
並んで写真も撮れるし

こち亀 両津勘吉の銅像
落ち込んでいても明るい気分にしてくれる

いい加減空腹が限界に達したので駅前の中華屋に入ってみると…

「ゴルゴ13」ポケットエディション

あった。「ゴルゴ13」と「鬼平犯科帳」が。もはやマンガがあるだけで嬉しい。

こちらは北口を出てすぐの所にある「ピリカ」。カウンターとテーブル席がある広い店内に鉄鍋の小気味良い音が響き、安くてボリュームたっぷりのおいしいラーメンが提供されている。職場の近くに1軒は欲しいタイプの店だ。

ピリカのもやしラーメン
もやしラーメン650円(税込)
野菜が絶妙にシャキシャキしていておいしかった

しかし、この街でさいとう・たかお作品(それもかなりの量)しか置いていないなんて相当ハードボイルド。気になって聞いてみたところ、「お客さんが置いていってくれたもの」なんだとか。これまた良い話じゃないか、ちくしょう。

中華料理屋「ピリカ」
「こち亀?ぜひおいてってくださいよ~」とのこと

ということで今回こち亀が読めるラーメン屋には出会えなかったが、こち亀の世界観そのものの活気と温かさ溢れる亀有を感じることができた。そして、「ここに来てまで読まなくて良いじゃないか…」そんな当たり前のことにも今さら気づけた。

この機会に亀有を訪れてみようかなと思っているこち亀ファンの方には、ぜひ街の人とのふれあいとラーメンを楽しんで欲しい。

こち亀のキャラクター看板
また来るね、両さん