この本は、江戸から昭和までの俳句・短歌・川柳の作者500名の作品を、ネコの性質や動作などのキーワードで分類した辞典。「愛猫」「猫もどる」「恋負け猫」といった約800の見出しに合わせ、2,400の作品が掲載されている。
猫の句に名を連ねるのは、小林一茶、正岡子規、北原白秋といった歴史的歌人たち。「はしがき」ではネコによる解説も掲載されている(以下、一部抜粋)。ネコを愛した作家の日々に想いをはせながら、ネコの写真や絵手紙などに好きな句を添えてみては?
紅梅や縁に干したる洗ひ猫 一茶 「洗い猫」8頁
「洗濯されちゃったわけではなくて縁側の濡れ猫をこう詠んだんだね。うまいにゃあ」
こんなに晴れた日の猫が捨てられて鳴く 種田山頭火 「捨猫」64頁
「放浪の俳人と言われた山頭火も、捨猫を見捨てられず、つらいにゃん」
愛しさや恋負け猫が食欲れり 橋本多佳子 「恋負け猫」45頁
「やっぱり女の飼い主さんはたのもしいにゃ。やけ食いする猫が可愛いなんて」