時計は時間を、数字という無機的な方法で我々に伝える装置。だが本当は、時間はとても個人的なもの。その時々の状況や気持ちによって、長く感じたり、一瞬に感じたりするものだ。

ドイツ人デザイナー Meike Harde さんは、バレリーナのポーズで時刻を伝える「Time is Dancing」を発表した。これは、時間の長さが人によって異なることを表現する時計だ。

バレリーナのポーズで時刻を伝える「Time is Dancing」
バレリーナのポーズで時刻を伝える「Time is Dancing」

「Time is Dancing」に長針・短針として取り付けられたバレリーナは、時刻によってはバランスを取るのがとても難しいポーズを一定時間取らなければならない。バレリーナはこの間、高い集中力を維持せねばならず、その体感時間は通常よりずっと長いものとなるはずだ。だがしばらくするとそのポーズは容易なものへと変移していく。このときのバレリーナの体感時間は、より短いものとなるだろう。

バランスを取るのが難しいポーズの時刻では
バランスを取るのが難しいポーズの時刻では

バレリーナの体感時間は長くなる
バレリーナの体感時間は長くなる

だが、容易なポーズでは、体感時間は短い(はず?)
だが、容易なポーズでは、体感時間は短い(はず?)

「Time is Dancing」はこのように、バレリーナの体感時間をそのポーズで私たちに伝えようと試みる装置だ。

Harde さんは「Time is Dancing」のコンセプトについて、次のように述べている。

「『Time is Dancing』は、時刻をバレリーナのポーズで表現した時計だ。だが、それだけではない。この時計は、刻々と動き続けるものすべてが、いつ崩壊するかわからない“もろさ”を内包していることを映し出している。この時計を使い続ければ、人は時刻を単なる数字の組み合わせとは思わなくなるだろう」