電子ペーパーのディスプレイ「Paperlike」

「Paperlike」は電子ペーパーを使用した13.3インチのディスプレイ。屋外でも高い視認性を維持できるので、オープンカフェで仕事をする際に便利…かもしれない。

「Paperlike」は屋外でも高い視認性を維持
電子ペーパーを使用したディスプレイ 「Paperlike」

「Paperlike」は、デスクトップPCのメインモニターや、ノートPCのセカンドスクリーン用に開発されたディスプレイ。液晶ディスプレイとは異なり、バックライトが使用されていないので目に優しいのが特徴だ。


液晶ディスプレイと電子ペーパーの違い
「Paperlike」ではバックライトが使用されておらず、目に優しい

液晶ディスプレイを長時間使用すると、眼精疲労やそれを原因とする頭痛が発症することがある。また、ブルーライトを浴びることで引き起こされる睡眠障害の可能性も指摘されている。「Paperlike」開発元であるDASUNGは、このような症状の軽減に「Paperlike」の使用は効果があるかもしれないとしている。

これまで電子ペーパーは、主に電子書籍端末で利用されてきた。だが「Paperlike」は、PCディスプレイ用に設計されたもの。このため、「Paperlike」の画面サイズは13.3インチと大型。また、解像度は最大で1,600x1,200に設定されている。描画速度も従来の電子ペーパーより高速化された。

「Paperlike」は従来の電子ペーパーより大画面の13.3インチ
「Paperlike」は、PC用ディスプレイ向けに設計された

その他、電子ペーパーには、視野角が広いというメリットもある。

視野角の広い「Paperlike」
電子ペーパーを採用した「Paperlike」は、視野角が広い

もちろん、電子ペーパーにはいくつかの欠点もある。その1つ目はカラー表示ができないことだ。もう1つは描画速度。高速化されたとはいえ、液晶ディスプレイの速度には及ばない。このためPhotoshopなどを利用して写真の加工をしたい人や、ゲームや動画を楽しみたい人には「Paperlike」は向かないだろう。

「Paperlike」の描画性能
モノクロ画面でも、オバマ大統領の表情は読みとれる?

だがワープロや表計算などを使用して、会社の業務をこなすには十分な仕様といえるだろう。外出先で「MS Office文書を急ぎでなんとかしなければ!大変なことになる」といった緊急事態に巻き込まれた場合でも、太陽の下でその事態に対応が可能だ。

ワープロ、表計算に使用するには十分な「Paperlike」
本当の緊急事態なんて、めったに起こらないけれど…。

Windows XP/7/8/8.1/10およびMac OSに対応している。

「Paperlike」の充電はmicroUSBで
モバイル用OSに対応していないのが残念
でも、Windowsスマートフォンやタブレット用の大型スクリーンにはぴったり?

開発元のDASUNGは現在、「Paperlike」の市販化に向けてクラウドファンディングサイトIndiegogoで出資者募集のキャンペーンを実施している。本稿執筆時点では、799ドルの出資で「Paperlike」を1台入手可能だ。入手に必要な金額はキャンペーンが進むにつれて上昇し、終了後の市販価格は995ドルになる。出荷は2016年8月に予定されている。

個人的には、電子ペーパーが搭載されたノートPCがあれば買いたいと思う。超低電力CPUなどと組み合わせて、「1度充電すれば1週間連続使用できるPC」が開発できれば、需要はあるのではないだろうか?